子どもを産まないのは「勝手」なことなのか。幸せかどうかは自分たちで決める。自民党、二階氏のコメントに対して日本の格差社会を思う
自民党の二階氏の次のコメントが問題になっていますね。
自民党の二階俊博幹事長は6月16日、東京都内での講演後の質疑の際、「このごろ、子どもを産まないほうが幸せに(生活を)送れるんじゃないかと、(一部の人は)勝手なことを自分で考えてね」と述べた。子どもを持たない家庭を批判したとも受け取れ、波紋を呼んでいる。(記事より)
と記事には掲載されていました。
https://m.huffingtonpost.jp/2018/06/27/nikai_a_23468847/
まず出産に関しては、
そもそも子どもを産み育てにくい現状を踏まえずに、
戦前と比較するなんて、市民の代弁者である政治家としてだいぶ問題があると思います。
自分の価値基準を押し付けて、現代の若者を「身勝手」というなんて、
ほんとにとんでもないです。
少子化になった日本の歴史をちゃんと理解して欲しいです。
さらに
食べるのに困るような家はないんですよ。実際は。一応はいろんなこと言いますけどね。今「今晩、飯を炊くのにお米が用意できない」という家は日本中にはないんですよ。だから、こんな素晴らしいというか、幸せな国はないんだから。自信持ってねという風にしたいもんですね。
また、「食べるのに困る人はいない」という話ですが、これもとんでもない。
「パンがないならケーキを食べればいい」
発言に匹敵します。
ここ10数年だけでこんなにも餓死事件があるのを、この二階氏の目には何も写っていないのでしょう。
いまは、彼のような団塊の世代が子育てした時とは全く違うし、
ベビーブームの時のような経済的な潤いはないわけです。
そのことを理解していない、あるいは理解できない、ことに
日本が格差社会なのだと再確認しました。
つまり、
特権階級の人にとっては、自分の周囲には同じ階級の人しかおらず、下級階級の人は目にも映らないということです。
政治的な話になりますが、これまで日本政治を推し進めてきたのが特権階級の人々だったということが、ここの表れています。
下級階級の人は、そこに陥ってしまったのは本人の努力不足であり、自己責任ということで、それで困っていても仕方がないという論でしょう。
話を元に戻しますが、
子どもを産みやすい、産みにくい、という感情を生むのは、
個人の問題ではありません。
そもそも、人間は「環境」に影響を受ける生き物です。
いまの少子化や、格差、貧困化は、間違いなく、
日本社会全体の「貧しさ(経済的にも感情的にも)」
が引き起こした結果でしょう。
出産に関しては、個人の考え方もあるし、産みたくても産めない人もいるので一律に語ることはできませんが、
他の国では、出産のサポートに関わるお金や
不妊治療に関しては、国が経済的なサポートをしている国もあるわけです。
こうしたことを考えると、
日本は、やはり、
若者や子育て家庭に、冷たい国だと言えます。
正直、今回の二階氏のコメントには失望しましたが、
これを契機に、考えを改めて、
飢えている子どもや、子どもを産むことで悩んでいる家庭に目を向けて、
何か、彼らに対しての対策を考えてほしいと願っています。
よろしくお願いします。