子どもの「汗腺発達」を心配するよりも、体調管理を万全にね!
子どもの汗腺発達を気にして、
あえてエアコンをつけないという、こだわりを持つ人がいます。
それは、家庭だけでなく、
教育や保育現場にも、そうした考えをもち、
ご自身の体感をもとに、かりに30度を超えていても、
エアコンをつけない人もたまにいたりするのです。
下のサイトのように
子どもの汗腺発達に対して、エアコンは悪影響がある、といった内容をネット上から見つけることも簡単ではあります。
エアコンなど全くない昔の日本では、乳幼児であれ日本の四季折々の気温を体感してきました。ムシムシした炎天下の夏には大汗が原因の汗疹に悩まされ、雪が降り寒さにこごえる冬には汗疹の代わりにしもやけの洗礼を受けたものです。昭和のお母さんたちは、赤ちゃんの肌を守るベビーパウダーが手放せなかったと聞きます。
ところがエアコンが完全に普及した現代の乳幼児は、夏だろうが冬だろうが、エアコンで快適な温度に調節された空間で育てられます。汗をかく必要がないのですから、汗腺は当然発達しません。汗を「かかないこと」は、「かけなくなること」につながります。汗腺が十分に発達していない子どもたちは、成長して外に出るようになっても、体温を下げるために必要なだけの汗を十分にかくことができないのです。これでは体温の恒常性が維持できませんから、身体のほうでも生体防御反応として、基礎代謝を低くすることでできるだけ身体の熱を産生しないように調節します。
その結果、平熱が35℃程度の「低体温児」が増えているのです。通常、子どもの体温は36℃台ですが、それと比べると「たった1℃」と思われる方もいるかもしれません。しかし、この差は人間にとって非常に大きな差なのです。例えば、基礎体温が35℃の子どもの体温が、2℃上がって37℃になったとします。それは37℃を平熱とする人からすると、39℃での高熱を出したことと同じなのです。3℃でも上がって38℃にもなったら、普通の人が40℃になったと同じことなのです。真夏の炎天下での重篤な熱中症に匹敵します。
猛暑でもないのにめまいに襲われたり、ひどいときには意識を失って、校庭や教室で次々と児童が倒れていく、こんなことが夏の光景として珍しくもないようになっているのです。こうした症状を、私は「疑似熱中症」あるいは「隠れ熱中症」と呼んでいます。
そんな現状にもかかわらず、保護者からは、「エアコンのない教室では勉強に集中できないから教室すべてにエアコンを設置してほしい」という要望が学校に寄せられているそうです。しかし、子どもたちが空調の効いた環境でしか生活できないようになったのは、親である保護者が、子どもが小さなうちからエアコン漬けにし、汗をかく機会を奪ってきたからなのです。
しかしながら、
どれも、過去の時代と比較の上で語られており、
過去の気候と、現代の気候との差異は
あまり触れられていないように感じます。
しかし、ことし7月に入ってからの
熱中症による死亡者が増え続けていることから考えても、
エアコンを使うことをためらわない方が良いことは、
周知されています。
どうか、無理せず、
エアコンをつけて、
体調管理を万全にしてほしいものです。